CLIENT INTERVIEWS
日本を代表する会社、大手企業を中心とした幅広いジャンルの動画広告・動画マーケティング・動画制作事例があります。
2019/05/31 12:30
大手広告代理店、映像業界でディレクターとして18年の経験をもつ大月和人が、相場や料金、費用など業界㊙な部分までを徹底解説! 見積料金や費用をおさえて、訴求力の高い動画制作をするポイントがわかります。
クオリティを重視しつつ映像制作・動画制作を行う時はプロに依頼するのが一番の近道です。
制作ディレクター暦16年
博報堂グループ出身。企画・撮影・編集・動画マーケティングまでの一連の映像制作に携わる。特に、スチール映像には定評がある。出身は福岡県。学生のころから自動車撮影や科学技術のCG作成に興味を持つ。実績クライアントに旭化成・ソニーなど。趣味は横浜・京都の観光めぐり。
映像制作の見積もりを企業に依頼すると、5万円~500万円を超えるものまで様々。「え?なんでこんなに料金が違うの?」と思う方も多いことでしょう。
フリーマーケットで500円で売られている絵があれば、画廊で1000万円の値が付く絵もあります。引っ越しして部屋に飾っておくのであれば、自分が気に入った安い絵で十分ですが、家宝として子孫に相続するのであれば、それなりに値がはるものでなければなりません。絵と同じように動画制作も用途や目的によって価格帯が大きく変わるのです。
インタビュー撮影 | WEBムービー制作 | 企業PR映像 | テレビCM |
---|---|---|---|
30万~45万円 | 40万~90万円 | 45万~150万円 | 100万~500万円 |
動画制作・映像制作には、WEBムービーなどの簡易的な撮影、CGやアニメーションを駆使した高度な映像、そして有名人やタレントを起用したテレビCMまで様々なジャンルがあります。しかしどの価格帯にも共通しているのが、費用の内訳の80%以上が人的な経費だということです。出演モデル、照明、音声、スタジオエンジニア、ナレーター、カメラマン、ディレクターなど、映像制作にかかる料金の原価のほとんどは人件費と言っても過言ではないかもしれません。
博報堂グループでディレクターを8年経験し、その後中規模の広告代理店で7年間映像ディレクターとして仕事をしてきた経験から、過去20年で料金相場は下がってきたと言ってよいと思います。1000万円を超える大規模な案件は、大手の広告代理店が料金相場が崩れていない一方で、50万円以下などの小規模な動画制作プロジェクトにおいては、新規参入の会社の数が増え、価格相場も下がってきています。10万円~70万円規模の映像制作では、2020年現在では相場は20年前の2000年と比較して30%~40%減となっています。
カメラなどの機材の小型化と高品質化、編集ソフトの品質改良と低料金化、そして映像制作スタッフの需給バランスの変化など様々な要因が関係しています。また、映像制作の市場は成長が鈍化しているのですが、映像制作ディレクターの数は年々増えていることも背景にあるでしょう。料金相場が下がるのは依頼する人にとってはうれしい話です。ジャンルと予算にあわせて適切な料金帯と業者選択をすれば、訴求力の高い映像制作をすることができることでしょう。
それでは、料金と費用帯ごとの特徴をチェックしていきましょう!
個人の映像制作・動画制作クリエイターに依頼をする場合、とても安い料金で制作することが可能です。簡易的な動画編集や、プロフェッショナルな撮影を必要としないのであれば、品質面で問題がないことも多いでしょう。おおよそ5万円~15万円がフリーランスの映像制作・動画制作の一般的な相場と考えてください。ランサーズなどの個人事業主の業務マッチングサイトであれば、簡単に登録できて質の良いクリエイターを見つけることができます。
フリーランスに発注して成功するケース
これら3つの条件で2つ以上該当するのであれば、フリーランスのクリエイターに依頼して動画制作をするとよいでしょう。
逆に中小企業の製品をプロモーションすることになると、フリーランスの映像クリエイターではなく制作会社に依頼した方がよいケースが多いです。というのも、フリーランスの映像クリエイターは費用が魅力である一方でいくつかの弱点があるからです。
フリーランスの映像クリエイターに依頼した場合、 低料金とは引き換えにクオリティ、スケジュールの管理などでリスクが伴うことがあります。つまり、見積や費用がいくら安くても、フリーランスの場合、納期を守れなかったり、本人の意思とは関係なく病気や体調不良になることもあり、 最悪の場合連絡が取れなくなるケースもあります。
私が博報堂を退社した後、映像制作専門の会社で働いていた時、低予算の制作依頼が舞い込んでくることがありました。30万円以下のような小規模プロジェクトは自社で対応するとコストオーバーになるため、個人の映像クリエイターに発注することも少なくありませんでした。納期や体制の観点で失敗したこともあり、実際に修正対応をする際など責任感をもって仕事をしてくれないケースもありました。
こうしたリスクを回避するなら映像制作・動画制作会社を選択しましょう。体制や納期コントロール、そして品質水準を満たす規模の映像制作会社であれば、安心してプロジェクトを任せることができます。プロジェクトにもよりますが、制作会社の見積相場はおおよそ30万円〜300万円程度あたりで推移しています。
バックアップ体制、社員の採用と固定給、機材のリース料金などで費用がかかるため、フリーランスよりも価格は上がります。しかしこうした費用は、自分や自分の会社にリスクが発生することを避けるためのものと考えてください。もし自分のプロジェクトが頓挫してしまったら自分の社内評価が下がってしまうのですから。
制作会社に発注して成功するケース
これらの条件で該当するものが多くある場合、制作会社に依頼して動画制作をするとよいでしょう。
それでは大手広告代理店はどうでしょうか。まず私が在籍していた博報堂グループもそうでしたが、業務に対するプロフェッショナル水準が違います。電話はすぐ返す、徹夜してでもクライアントの期待に応えるなど、よくある広告代理店のイメージ通りと考えても相違ありません。看板やブランドを守るため、顧客の信用を守るために常にプロフェッショナルなサービス体制をもっています。
他にも、コンプライアンスやセキュリティなどの面も制作会社よりも高い水準で遵守されています。大手の広告代理店は制作会社やフリーランスと違い、費用は圧倒的に高くなりますが、幾つかの強みをもっています。
大手広告代理店の強み
大手広告代理店はテレビの有名人を起用して、クライアントの代わりに交渉を代行することもできます。また大手広告代理店は映像制作ではなく、その先の広告を見据えたクリエイティブ制作ができます。広告媒体やメディア枠を販売することが本業である大手広告代理店は、見積費用は高くなりますが、その分多くの視聴者が期待できる広告枠(テレビなどでは15秒が一般的)と、それを最大限に生かすためのキャスティング、販促ノウハウがあるといってよいでしょう。
料金はどうでしょうか。マーケティング、特殊なCG技術者、プロダクションとネットワークをもつなど、多くの人やコネクションを維持するだけの費用が当然かかります。 大手広告代理店の一般的な費用相場は数千万円から大きいものだと数億円規模になることもあります。ただし、この見積の中には、タレント、広告媒体費などの費用も含まれているため、純粋な映像制作は500万円~1000万円程度と考えて下さい。
映像制作の費用のボリュームゾーンはおよそ30万~300万円程度です。様々な価格帯がありますが、それぞれの違いをよくおさえることで、「自分が必要としている動画」のイメージをよく掴んでください。そうすれば、費用対効果の高い映像制作が実現できるでしょう。
5万〜15万円の費用では、簡易的な動画編集が多く、品質水準もクリエイターによって様々です。費用が低い一方で、企画や撮影、広告コンサルティングなどはありません。
50万〜100万円の費用では、プロとしての最低限のデザイン性やアニメーションそして企画力が確認できるものが多いです。質感やテイストにおいても50万円以下の料金では再現することが難しいものが多くなります。しかし、その一方で機材レベルの向上などもあり、映像のクオリティーだけで言えば、フリーランスと大きく変わらないこともあります。
100万円以上の費用になると、ワンランク上の映像制作が可能です。この費用帯からがいわゆる業者水準ゾーンといってもよいかもしれません。私が担当した案件はこれまで500プロジェクト以上ありますが、そのほとんどが、100万円以上の予算でした。この価格帯の代表的なものとして、コンピューターグラフィックスや、オリジナルキャラクターのモーション(動き)が制作可能があります。より独自性の高い映像を作ることができるようになり、アマチュアやフリーランスでは実現が困難なレベルになります。逆に言えば、視聴者やターゲットに対する訴求効果もある程度期待できると考えてもよいでしょう。また、企画や動画マーケティングの相談もすることができるのもこの料金帯の特徴です。
250万円以上の費用では、3DCG等の高度な表現技術、芸能人などのキャスト、トップレベルのディレクターやプランナーを利用することで、テレビCMとして活用できるような、クオリティの高い映像を作ることが出来ます。そのほとんどが、しっかりした広告立案を基にして、ターゲットまでの認知や獲得がよく計算されています。
いかがでしたか?
フリーランス | 制作会社 | 大手広告代理店 | |
---|---|---|---|
料金相場 | 5-15万円 | 50-300万円 | 300-800万円 |
イメージ | アマチュアの上位レベル | プロ・業務仕様 | インパクトや訴求力が高い |
訴求効果 | 並以下 | 標準的 | 標準以上 |
マーケティング力 | なし | 低 | 中~高 |
キャスティング | × | B級タレント | 有名人 |
内容 | 簡易的な制作 企画・撮影なし |
企画考案 撮影・制作 |
広告枠との連動
企画 高度な撮影・制作 |
料金表のイメージがなんとなくわかったところで、次は見積りの単価相場を理解していきましょう。費用ごとの単価がわかれば、その会社の水準を知ることができるため、より確実な発注をすることができます。
映像制作・動画制作を行う際の見積もり料金の内訳は様々ですが、最も一般的な内訳は以下の5つです。見積の中で最も注目するべき費用は人件費(人的費用)です。その理由は、見積のレートによって仕上がる作品の品質を想定できるからです。
特に人日(1人が1日稼動した費用)で見積りをする会社は実績のある信頼できる企業が多いです。
スタジオ費や機材費などは業者間であまり変わりません。しかし、人的費用には大きな料金幅が存在します。 ディレクター経験2年の25歳と、特定の業界のマーケティングに精通して何百社もの上場企業の動画マーケティングを担当してきたディレクターでは 当然費用が変わります。
私がかつて所属していた大手広告代理店ではだいたい1人日が15万円でした。もちろん、実績のある人や有名なクリエイターの先輩は、人日単価が40万円~50万円の費用となることも珍しくありませんでした。
人的費用の見積もりを見れば、どんなレベルの担当者が制作するのかすぐわかります。
例えば、ディレクターが1日働いた料金が5万円〜15万円の費用の場合は、平均的かそれ以下のディレクターである可能性が高く、逆に20万円を超える費用であればそれなりのディレクターが用意されていると考えられます。
このディレクターと同じように映像制作・動画制作には様々な役割があります。
映像制作・動画制作のプロジェクト全体を管理している「プロデューサー」
映像制作・動画制作全体の指揮をとる「ディレクター」
実際に動画編集を行う「エディター」や「アニメーター」
動画撮影を行う「カメラマン」など。
さらに、大規模な映像制作・動画制作では、各担当の人数が増加したり、各アシスタントが設けられたり、 キャストにはメイクさんやスタイリストさんが付いたり…。 映像制作・動画制作の料金は、内容次第で人のコストが、その数も質も大きく変わるのです。
以下に相場をのせておいたので参考にして下さい。料金が上限に近づくほどレベルが高いと考えてください。
項目 | 職種 | 単価 | 職務内容 |
---|---|---|---|
企画・管理 | 統括ディレクター | ¥250,000-¥1,350,000 | 全体の管理進行及び企画制作 (経験年数10年以上) |
企画・管理 | クリエイティブディレクター | ¥80,000-¥360,000 | 全体の管理進行及び企画制作 (経験年数10年以上) |
企画・管理 | アシスタントディレクター | ¥22,000-¥240,000 | ディレクターの補佐及び雑務 |
デザイン・編集 | アートディレクター | ¥50,000-¥240,000 | 企画制作及び制作監督 (経験年数5年以上) |
デザイン・編集 | デザイナー | ¥35,000-¥150,000 | デザイン制作 (経験年数5年以上) |
撮影・編集 | カメラマン | ¥60,000-¥300,000 | 撮影/セット (経験年数5年以上) |
撮影・編集 | カメラマンアシスタント | ¥30,000-¥165,000 | 撮影補助/照明/音声(経験年数5年以上) |
撮影・編集 | エディター | ¥30,000-¥150,000 | 映像編集/アニメーション制作/BGM処理等 |
ナレーション | ナレーター | ¥40,000-¥140,000 | ナレーション収録(日・英・中) |
大手企業の動画制作となるとトラブルや1日の遅れも許されません。また課長、部長、役員などそれぞれの要求コントロールも重要となります。また、修正に対するスピーディーな対応も要求されることでしょう。
大手企業の担当者が依頼する場合に必ずといってよいほどチェックしている見積項目は管理費/バッファです。
フリーランスや小規模な動画制作会社であれば1人のディレクターが5件以上同時に兼務することもしばしば。その分トラブルが発生してしまったり想定していた納期より遅れてしまったりということがあるのです。 こうしたことがないように、バックアップ体制をしいたり、費用的、時間的な余裕を作ることが大切です。
料金が高いもう1つの理由が発注者側の人的費用がかからないことです。小規模な動画制作会社では効率化、管理がすすんでいないことが多く、ディレクターの肌感覚で映像をつくってしまうことがほとんど。その結果、イメージしていたものから遠くなってしまうことや、そのせいで修正回数や余計な工数が増えてしまうこともあります。
例えば動画の撮影日数が増えた場合、ディレクターやカメラマンの人的費用は加算されます。 また中堅以上の制作会社であれば事前に提案された制作内容をプロジェクトの途中で変更して動画の修正依頼をする場合、エディターやアニメーターの人的費用が加算されることもあります。
映像制作・動画制作会社の中には1つの制作チームで一括の費用としている会社もありますので、見積もりの作り方には統一性やルールがありません。 事前に費用感を映像制作・動画制作会社に伝えて、提示した料金内でできるチームを編成してもらうなど、細かいすり合わせを行うことで、事前に提示した料金以上の請求金額になることがないようにしましょう。
これまで話してきたように、映像制作の費用はほぼ人的費用で成り立っています。 以下のような工夫をすることで、少しずつ費用を安くすることが出来ます。
近年、安い料金で高性能なカメラも販売されているため、自然光が入り、撮影の難しいロケーションでなければ、自分たちで撮影を行い、素材を用意することはそれほど難しくないでしょう。素材を用意し、編集と追加撮影を制作会社に依頼すれば、グッと費用を抑えることが出来ます。 また、ナレーション等の原稿は、特別なソフトや機材が必要なく、ワードやエクセルなどで誰でも制作可能です。
このように、出来る限り自社内で構成や素材を用意し、足りない部分を制作会社に依頼する事で、大きく費用を低減できるはずです。
予算がふんだんにあるのであれば、サービスのよい会社に頼んだ方がよいですが、必ずしも予算が潤沢にあるわけではありません。時には費用カットをして切り詰めなければならない時もあると思います。
もしあなたが日ごろの業務が忙しく、かつ失敗が許されない立場にいる場合は、しっかりとした制作会社に発注するとよいでしょう。その方がリスクが低く手間がかからない上に、確実な動画制作を実現することができます。
逆に時間的に余裕がある場合や、失敗してもやり直しがきく場合、また自分から積極的に時間を使って二人三脚で映像制作をしようと考えている場合は、小規模な動画制作会社がおすすめです。ディレクターと関係を深めて信頼関係を築いていけばきっとよいものができることでしょう。
要は、自分の状況やケースに応じてベストな業者を選ぶことができること。 先ほどの料金表ごとのイメージをしっかりもちながら、映像制作にトライしてみてください。
日本を代表する会社、大手企業を中心とした幅広いジャンルの動画広告・動画マーケティング・動画制作事例があります。